(最終更新日:2023-12-10 23:53:16)
  マツカ ユウコ   MATSUKA YUKO
  松家 裕子
   所属   追手門学院大学  共通教育機構
   職種   教授
■ 一般向け情報
研究ジャンル : 中国
研究のキーワード : 中国文学、漢詩、語りもの(芸能)
研究に関するコメント : 音楽をともなう詩に関心をもち、漢詩のうちとくに「楽府(がふ)」と呼ばれる一群の詩と、現代中国の語りもの(芸能)を研究しています。ひとつひとつの作品を大切に読み解く作業を進めながら、中国の文学や文化を、「過去のもの」「向こうにあるもの」ではなく、今、ここに生きるわたし(たち)につながるものとして有効に説明するにはどうすればよいか、それを考えています。
■ 学歴
1. 1980/04~1981/03 京都大学 教育学部
2. 1981/04~1984/03 京都大学 文学部 卒業
3. 1984/04~1986/03 京都大学大学院 文学研究科 中国語学中国文学専攻 修士課程修了 文学修士
4. 1986/04~1989/03 京都大学大学院 文学研究科 中国語学中国文学専攻 博士課程中退
5. 1986/09~1988/03 京都大学大学院 文学研究科 中国語学中国文学専攻博士後期課程 博士課程休学
6. 1986/09~1988/03 中華人民共和国復旦大学 語言文化研究所
■ 職歴
1. 1989/04~1990/03 京都大学 文学部 助手
2. 1990/04~1995/03 追手門学院大学 文学部 講師
3. 1995/04~2003/03 追手門学院大学 文学部 助教授
4. 2003/04~2007/03 追手門学院大学 文学部 教授
5. 2007/04~2017/03 追手門学院大学 国際教養学部 アジア学科 教授
6. 2017/04~2022/03 追手門学院大学 基盤教育機構 教授
■ 著書・論文歴
1. 著書  中国俗文学史 (共著・編著(代表編著を除く)) 2023/10/01
2. 論文  试探绍兴宣卷的插花 (単著) 2023/03/19
3. 論文  晩清《惜穀宝卷》的特点和作者 (単著) 2022/05
4. 著書  中国浙江講唱文藝研究 ―勧善・免災の機能から考えるー(科学研究費報告書) (代表編著) 2020/03
5. 論文  中国金華の語りもの芸能・金華道情の作家、章竹林さんについて (単著) 2019/03
6. 論文  高橋和巳と顔延之「秋胡行」―論文「中国の物語詩」を読む (単著) 2018/06
7. その他 ASUの会のこと (単著) 2018/03
8. 論文  《太平寶卷》的六種文本 -兼論民間手抄本之價值- (単著) 2016/12
9. 著書  浙江金華口承文藝研究 ―語りもの藝能「金華道情」を中心に―(科学研究費報告書) (代表編著) 2017/03
10. その他 金華道情調査報告 ―二〇一五年八月・十一月 澧浦鎮 朱順根― (単著) 2017/03
11. 著書  劉宋元嘉、大明年間的相和歌與鮑照樂府 (単著) 2016/02
12. 著書  小南一郎教授古稀頌壽紀念 桃之宴 -京都桃會與漢學新詮- (共著・編著(代表編著を除く)) 2014/04
13. 著書  世界人名大事典 (共著・編著(代表編著を除く)) 2013/12
14. 著書  アジアの都市と農村 (共著・編著(代表編著を除く)) 2013/10
15. 著書  中国女性史研究入門 (共著・編著(代表編著を除く)) 2005/03
16. 著書  中国史重要人物101 (共著・編著(代表編著を除く)) 1996/12
17. 著書  旅の文化史 ―生きられたアジアの風景― (共著・編著(代表編著を除く)) 1993/05
18. 著書  中国文学を学ぶ人のために (共著・編著(代表編著を除く)) 1991/03
19. 論文  『惜穀宝巻』について―咸豊期一宝巻における文学と宗教― (単著) 2016/08
20. 論文  インドの市場とピーパルの木またはインドボダイジュ (単著) 2016/03
21. 論文  金華道情調査報告 ―二〇一二年三月・二〇一四年三月― (単著) 2015/12
22. 論文  中国訳詩抄一 現代中国の詩人・楊鍵詩三首 (単著) 2015/12
23. 論文  『太平宝巻』全本宣巻調査報告―2013年・紹興安昌鎮大和班― (単著) 2014/03
24. 論文  紹興宣巻の調査報告 ―現代中国における唱導文藝のひとつのありかた― (単著) 2014/03
25. 論文  紹興の小目連『太平宝巻』―安昌鎮大和班の宣巻調査から― (単著) 2013/10
26. 論文  婺劇観劇記 ―2012年2月・浙江省遂昌 (単著) 2013/03
27. 論文  評劇観劇記 ―2010年・北京 ― (単著) 2011/03
28. 論文  紹興の宣巻 ―二〇〇八年・馬山鎮寧桑村 ―  2011/01
29. 論文  鮑照楽府の一人称は何処まで鮑照か (単著) 2008/10
30. 論文  「十月懐胎」について―余華から説き起こす (単著) 2008/03
31. 論文  中国の口承文芸「十月懐胎(とつきとおか)」-浙江蕭山における実地調査から-  2007/03
32. 論文  従小説的開端看趙樹理的創作特色 (単著) 2006/12
33. 論文  潘金蓮はなぜ鏡を見たか ―『金瓶梅詩話』第三十八回の俗曲 「二犯江児水」について (単著) 2005/09
34. 論文  中国の福の神―新年に訪れるもの― (単著) 2005/03
35. 論文  首都博物館蔵「妙峰山進香図」について (単著) 2003/11
36. 論文  『采菽堂古詩選』と陳祚明 (単著) 2001/06
37. 論文  古典詩と民間歌謡-明代公安派袁宏道の例- (単著) 2001/02
38. 論文  梁の楽府と北方 (単著) 2000/03
39. 論文  繆襲とその作品 (単著) 1998/11
40. 論文  文学史の中の趙樹理 (単著) 1997/04
41. 論文  「孔雀東南飛」の背景 (単著) 1995/04
42. 論文  傅玄楽府初探 (単著) 1994/11
43. 論文  「蓮花落」について―評劇のはじまり― (単著) 1993/11
44. 論文  抒情的五言詩の成立について (単著) 1991/10
45. 論文  「陌上桑」をめぐって (単著) 1989/10
46. その他 顧希佳著 紹興・安昌の宣巻調査 (共著・編著(代表編著を除く)) 2011/12
47. その他 紹興民間の『売花宝巻』テキスト (単著) 2011/03
48. その他 評劇入門 (単著) 2009/03
49. その他 (翻訳)「シャーマニズムと道教」・「仏教」  2008/10
50. その他 (翻訳)劉建平・閻建紅著「評劇は現代劇の創作と上演に大きな成功をおさめてきました」  2008/03
51. その他 インタヴュー記録  2004/03
52. その他 妙峰山のまつりと粥茶歌 (単著) 2002/11
53. その他 「艶歌行」古辞を読む (単著) 2001/11
54. その他 文学小事典 (単著) 2001/07
55. その他 (書評)井波律子『中国幻想ものがたり』 (単著) 2001/05
56. その他 (書評)深尾葉子他『黄土高原の村-音・空間・社会-』 (単著) 2000/11
57. その他 (教科書)中国現代小小説選・彎彎的柳眉河 (共著・編著(代表編著を除く)) 1998/10
58. その他 『中国民間文化』の呉方言地区における歌の調査・研究  1996/03
59. その他 李沢厚著 中国の伝統美学 (共著・編著(代表編著を除く)) 1995/06
60. その他 (翻訳)曹旭著 乞丐同行記  1993/11
61. その他 『歌謡週刊』索引(1)著訳者名篇 (単著) 1993/11
62. その他 (書評)国家がめざす歌の集大成 ―『中国民間歌曲集成』山西巻 (単著) 1992/06
63. その他 『成化本説唱詞話』発見簡報 (共著・編著(代表編著を除く)) 1988/04
■ 現在の専門分野
中国文学 
■ 所属学会
1. 2004~ 説話・伝承学会
2. 1988~ 東方学会
3. 1984~ 日本中国学会
■ 学会発表
1. 2019/10/19 宝卷的书面文本与口头语言 -试探绍兴宣卷的插花(中国宝卷国際研討会)
2. 2018/08/21 コメンテーター 胡暁真「明清方志的文学解読」(明清研習営)
3. 2017/04/06 現代常熟市《香山宝巻》的表演形式与中国伝統女性文化特点(松家は「討論人」(コメンテーター))(東文研セミナー)
4. 2017/03/19 「中国の物語詩 ―おもに「秋胡行」について」(特集:高橋和巳の中国文学研究(2))(桃の会例会)
5. 2016/11/12 「新宝巻」にみえる信仰のありかた ―孤魂と免災―(日本道教学会第67回大会)
6. 2015/07/18 紹興宣巻と『太平宝巻』―上演・抄本・石印本―(中国文学会)
7. 2014/10/18 《太平寶卷》的六種版本 -兼論民間手抄本之價值-(中國寶卷國際研討會暨中國俗文學學會2014年會)
8. 2014/02/10 紹興宣巻の上演・テキスト・信仰 ―『太平宝巻』の例―(中国古典小説研究会関西例会)
9. 2013/04/28 紹興宣巻の調査報告―現代中国における唱導文藝のひとつのありかた(説話・伝承学会大会)
10. 2013/03/23 紹興の小目連『太平宝巻』(桃の会例会)
■ 研究課題・受託研究・科研費
1. 2002/04~  口承の世界を視野に入れることによる中国文学の再解釈  
2. 2014/04~2017/03  浙江金華口承文藝研究 ―語りもの藝能「金華道情」を中心に― 基盤研究(C) 
3. 2011/04~2014/03  中国江南唱導文藝研究 ―上演・テキスト・信仰― 基盤研究(C) 
4. 2008/04~2011/03  中国近世唱導文藝研究 ―江南地域における実態調査 基盤研究C 
■ 講師・講演
1. 2017/03/29 宝巻的清代文本与当代演出 ―以紹興宣巻《太平宝巻》為例(復旦大学、上海、中国)
2. 2015/07/18 紹興宣巻と『太平宝巻』―上演・抄本・石印本―(京都大学)
3. 2008/08/26 評劇(東京、日本)
■ 教育、研究、社会貢献活動の方針
1. (1)教育活動の方針     書物の中であれ、現実の生活であれ、生き生きと躍動する精神に触れることをもっとも愛する。ともすれば画一的、暴力的になりがちな教育という場において、これを抑圧することがないよう、そしてこれにいささかでも資するようありたいと願う。自由と個性を尊重し、学ぶことの意義と楽しさを伝えたい。
2. (2)研究活動の方針    無名の人たちが作った過去の中国文学の作品を、作りだした「人間」のところまでさかのぼり、その創造の過程と作者が作品に表現しようとしたことを、できるかぎり正確に、そして生き生きと再現したい。具体的な研究対象は、漢から魏晋南北朝期の「楽府(がふ)」と、元明期から現在にいたって行なわれている語りもの(芸能)のテキスト「宝巻」である。再現には推測や想像が必要だが、それを説得力あるものにするためには、テキストの(可能なかぎり)精確な読み解き、歴史的状況の把握、そして時代を越えて通底する中国の社会・文化の特徴の理解を怠ることができない。かんたんなことではないが、こうした研究によって、中国文学、あるいは広く文学という人間にとって重要な営みについての、より正しい理解に近づくことをめざしている。
3. (3)社会貢献活動の方針    真理・真実がないがしろにされる社会では、何が正しいかではなく、だれが権力をもつかによってものごとが決まり、無用の争いと暴力がはびこる。追求し、発見しようとする真理・真実が小さなものに見えようとも、研究の場である大学に身を置く者は、そうした不幸や悲劇を回避する責任とそして「力」がある。したがって、中国文学の研究を、誠意をもって行なうことが、わたし自身が行なうべき第一の社会貢献であると考えている。あわせて、大学に閉じないより広い範囲の人たちと、中国文学、中国の社会と生活、中国語についてともに学ぶ機会をもつことを願っている。
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