シンドウ  マサヒロ
  真銅 正宏
   所属   追手門学院大学  学長
   職種   学長
発表年月日 2021/11/03
発表テーマ 「気づき」のための読書
会議名 京都私学図書館フェア二〇二一
国名 日本
開催地名 京都市同志社女子中高
会議区分 その他
講演区分 講師
単独共同区分 単独
招待講演 招待講演
概要 自分がなぜ文学研究などという、およそ世の中に役に立ちそうにないことをやり続けているのか。構造主義的なものの見方が身につけば、世の中の隠された仕組みや法則についても、より深く知ることができるのではないか。そうできれば面白いのではないか。これが私の研究の出発点だったようである。小説などにおいて、自動化した表現は、得てしてつまらないという印象を与えるもので、その表現が異化しているかどうかが、文学などの価値評価の一つの指標になる。この視点で読むと、これまで読んだ文学作品も、見え方が変化するかもしれない。また、我々は、読書するとき、自分の興味のある部分、特にストーリーや登場人物像を選択して読む傾向がある。それは、我々がストーリーや登場人物像を読みたいから、である。この選択して読むことを、イーザーは、「前景化」と呼び、残りの要素は「背景化」される。このように、疑いながら能動的に読むとき、小説の仕組みを通じて、世の中についても思考が深まるものと考えられる。この魅力を知ってほしい。