ウニ ヒロユキ
宇仁 宏幸 所属 追手門学院大学 経済学部 経済学科 追手門学院大学 大学院 経営・経済研究科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2021/03/27 |
発表テーマ | J. R. コモンズ『制度経済学』における適正価値論の射程 |
会議名 | 進化経済学会第25回大会 |
主催者 | 進化経済学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
国名 | 日本 |
開催地名 | オンライン |
開催期間 | 2021/03/27~2021/03/28 |
発表者・共同発表者 | 宇仁宏幸 |
概要 | J.R.コモンズの主著『制度経済学』では、適正価格論(第8章)と適正価値論(第10章)とが展開されている。従来の研究では、両者は明確に区別されていなかったが、最近発見された草稿に基づくと、両者の間にはかなりの違いがある。たとえば、前者は、技術(効率性)は不変で所与と仮定する静学的フレームワークを採用しているが、後者は内生的技術変化(効率性上昇)をともなう動学的フレームワークを採用している。また、前者は主にミクロ的観点で論じられているが、後者は主にマクロ的観点で論じられている。達成可能な上限を意味する「適正さreasonableness」という概念を、価格だけではなく、労働安全、健康、児童労働、賃金、労働時間にも、広く適用するという着想を、コモンズは、すでに1910年代の様々な行政委員会での経験から得ていた。当時のコモンズに欠けていたのは、適正な価格と適正な実践とを、適正価値という単一の概念によって、包括するための、人間行為論や新しい価値論などであったと思われる。そのような新しい理論的ベースを提供したのは、デューイ・タフツ『倫理学』(1932年改訂版)であると考えられる。 |