ウニ ヒロユキ
宇仁 宏幸 所属 追手門学院大学 経済学部 経済学科 追手門学院大学 大学院 経営・経済研究科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2023/01/21 |
発表テーマ | 先進諸国における金融化と脱金融化 |
会議名 | 進化経済学会・制度と統治部会研究会 |
主催者 | 進化経済学会 |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 追手門学院大学 |
開催期間 | 2023/01/21 |
発表者・共同発表者 | 宇仁宏幸 |
概要 | 本稿では、1980年代以降の先進5か国の非金融企業と家計の資産面と負債面において、どのような変化が起きているかを分析する。非金融企業の資産面では、総資産に占める金融的資産の割合が1980年~2000年頃にかけて上昇した。その主な理由は、事業分割をともなうM&Aの活発化により、それまでは企業本体に組み込まれていた周辺的事業が関連会社化されたことである。他方、非金融企業の負債面では、脱金融化が進んでいることがわかった。つまり、労働分配率の低下などにより、利潤を増やした先進諸国の非金融企業は、1980年代以降、資金調達において外部資金の割合を減らし、内部資金の割合を増やす傾向にある。また、家計の金融資産の構成の推移をみると、アメリカでは家計金融資産に占める株式の割合の上昇傾向が確認できるが、アメリカ以外では2000年代以降このような長期的・趨勢的な上昇は起きていない。他方、家計の金融負債の構成の推移をみると、発生のタイミングは異なるが、いずれの国においても、住宅ローンを中心とする金融機関からの借り入れが急増する局面が存在する。家計に関しては、ミンスキーのいう金融不安定性は確実に上昇しているといえる。 |