アララギ ユキコ
  蘭 由岐子
   所属   追手門学院大学  社会学部 社会学科
   追手門学院大学  大学院 現代社会文化研究科 現代社会学専攻
   職種   教授
発表年月日 2012/12/21
発表テーマ 和解と赦し―ハンセン病問題にみる〈加害-被害〉関係から
会議名 甲南大学人間科学研究所公開研究会
学会区分 研究会・シンポジウム等
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
招待講演 招待講演
開催地名 甲南大学:神戸
概要 ハンセン病は、明治末期から政策の対象となり、発症した患者は数少ない療養所に隔離されること
となった。その政策のあやまりがはっきりと認められたのは、2001 年のハンセン病熊本訴訟判決にお
いてであった。一連の訴訟運動を通じてハンセン病問題は国と病者の〈加害-被害〉関係として社会
的に認知されるようになった。〈和解と赦し〉というテーマが〈加害-被害〉関係を出発点とするなら
ば、ハンセン病問題を通してそれを議論するためには、この訴訟における〈加害-被害〉関係を第一
に議論しなければならないだろう。そこでは病者は〈被害〉の立場そのものであった。しかし、病者
らへの聞き取りや手記からは、病者や家族は〈被害〉の立場にあっただけでなく〈加害〉の立場でも
あったことが見て取れる。本報告では、病者の経験にみる複層的な〈加害-被害〉のありようを手が
かりとして〈和解と赦し〉について考えた。