キノシタ トモヒロ
KINOSHITA TOMOHIRO
木下 智博 所属 追手門学院大学 経済学部 経済学科 追手門学院大学 大学院 経営・経済研究科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2020/05/23 |
発表テーマ | 金融政策の現状と課題 |
会議名 | 日本経済政策学会全国大会 |
主催者 | 追手門学院大学 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 大阪府 茨木市 追手門学院大学 |
概要 | 日本銀行は、フォワードガイダンスの金融政策手法を開発してきた先駆者である。しかしながら、日銀展望レポートの物価見通しが、市場の予想金利形成に及ぼす影響を計測すると、2016年央以降、フォワードガイダンスの効力は低下している。その背景には、日銀が長期金利の水準を目標とするイールドカーブ・コントロールを導入したこと以外に、第1に、市場予想が低インフレを先取りしてしまっていること、第2に、長引く緩和の弊害が、特に民間金融機関収益の伸び悩みという形で現出していること、第3に、ドル建て債務の拡大と金融不均衡のもたらす「ひずみ」の3点を指摘できる。
3つの論点が浮かび上がる。第1に、物価安定目標2%の妥当性、第2に、イールドカーブの「傾き」それ自体の政策効果について学術的な検証の必要性、第3に、中央銀行と政府の財政政策との役割分担の再考、である。 |