シンドウ マサヒロ
真銅 正宏 所属 追手門学院大学 学長 職種 学長 |
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発表年月日 | 2008/09 |
発表テーマ | パリと東京をめぐる文学―永井荷風の墓参を例に― |
会議名 | 同志社大学―マルク・ブロック大学学術交流シンポジウム分科会3「日本学における伝統の発見」 |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 同志社大学 |
概要 | 永井荷風は五年弱に渡る外遊の最後の二ヵ月を、パリに過ごした。ここで彼がしばしば訪れたのが、三大墓地と呼ばれる、ペール・ラシェーズ墓地、モンマルトル墓地、モンパルナス墓地の三つのパリの霊園である。そこには、フランス文学やその他の分野の先人たちが多く眠っている。荷風はこれらの墓地を散策し、彼らの文学に思いを馳せる。
帰国後の彼は、また、東京の墓地をも散策する。永井家の墓地がある雑司ヶ谷墓地はもちろん、谷中墓地、青山墓地などである。墓参という営為は、荷風にとっては、先祖先人の供養の行為に止まらず、パリ時代と共通する、いわば文学的営為となったのである。このような遡及的文学営為の誕生には、遠く、パリ時代の体験が影を落としている。パリと東京の重ね合わせが、このような文学的営為を生んだ一つのきっかけとなったことをここに示す。 |