ババ タカノブ
BABA TAKANOBU
馬場 天信 所属 追手門学院大学 心理学部 心理学科 追手門学院大学 大学院 心理学研究科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2016/11/04 |
発表テーマ | 心の色彩を失った女性が色彩を取り戻すまでの心理療法過程 |
会議名 | 日本精神分析学会第62回大会抄録集,69-71. |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 広島国際会議場・広島市文化交流会館 |
概要 | 精神分析的心理療法によって4年間担当したスキゾイド的心性の女性の事例について発表を行った。週に1日45分、対面の構造で行った心理療法であり、大学卒業に伴い実家へ戻るという現実的理由による終結となった。Aは父親が自死するという思春期の外傷的体験を契機に、情緒を感じることができずにいた。最初は、治療者とかなり距離がある関係を続け、徐々に実家への帰省を長期にとったり、男性を怪我させると言う行動化を行いながら、支配的で攻撃的な対象が治療者に投影されるに至った。中期から後期にかけて、解釈の投与による攻撃を行ってしまったのではないかという治療者の罪悪感と、治療者を攻撃してしまったというAとのエナクトメントが生じた。終結が近くなり、Aは、自らの情緒を実感できるようになったと語り、最後に治療者を気に入ったカラーボールペンと形容して終結となった。 |