ウメムラ オサム
  梅村 修
   所属   追手門学院大学  共通教育機構
   職種   教授
発表年月日 2025/09/04
発表テーマ 工学部と文系学部における日本語ライティング教育ー使用語彙・表記の問題に焦点を当てて
会議名 初年次教育学会第18回大会 自由研究発表Ⅰ
主催者 初年次教育学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
国名 日本
開催地名 石川県立看護大学
開催期間 2025/09/04~2025/09/04
発表者・共同発表者 増地ひとみ(追手門学院大学)、坂井美穂氏(日本文理大学)、渕上千香子氏(日本文理大学)
概要 日本文理大学での添削指導の便宜から開発された「マクロ」と呼ばれる「読みやすさ判定ソフト」を、追手門学院大学の「日本語表現」で学生が書いた論作文に適用したところ、NG表現の基準が大きく異なり、このままでは使えないことが発覚した。文系学部の学生が書いた論作文をこのソフトを使ってセルフチェック、もしくは添削の補助的なシステムとして使う場合、どのような改善を施せばよいだろうかという問題意識がそもそもの出発点である。今回は、内容や統語には踏み込まず、使用語彙・表記―読点、句点、文字数、一文の長さ、など―の問題に焦点を当てて、日本文理大学の工学部生の作文と、追手門学院大学の文系学部生の作文を比較してみた。すると、俗語・略語は使用禁止という点では文系・理系ともに共通していた。しかし、工学部では、主観的・あいまい表現を極力排除する傾向があるのに対し、文系学部では、主観的・あいまい表現の一部を許容し、構成明示に活用していることがわかった。また、標識語句(ディスコースマーカー)については、工学部ではほぼ禁止され、語順・構成で論理を示す傾向があるのに対して、文系では、使用を推奨しているという違いが判明した。このことから、工学部では、 読み手への過不足ない伝達のために、情緒や主観をできるだけ廃して、論理的で正確な記述が求められているのに対して、文系学部では、書き手への構成支援・読み手への配慮が優先され、主観的な程度副詞や形容詞の使用が比較的緩いということが分かった。