シンドウ  マサヒロ
  真銅 正宏
   所属   追手門学院大学  学長
   職種   学長
発表年月日 2017/12/02
発表テーマ 情報は人が持っている―明治期の文学と絵画をめぐるネットワーク―
会議名 日本比較文学会中部支部第42回中部大会シンポジウム
主催者 日本比較文学会中部支部
学会区分 地方学会
発表形式 シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
単独共同区分 単独
招待講演 招待講演
開催地名 名古屋・名古屋大学
概要 明治期の文学者と画家とのつながりはかなり親密で、同じ芸術家として、西洋文化の移入や日本文化のアイデンティティの確立のために協同して尽力していた。情報の流通環境が現代と比べて格段に劣っていた当時、人的交流こそは、多様な文化を理解し、新時代の文化を創出するための大切な手段であった。本発表は、永井荷風を中心とする当時の文化の発展に資する人的交流の実態について、その一端を報告するものである。例えばパリを訪れた与謝野寛の、パリ在住の画家たちとの交流はよく知られているが、彼が活動の拠点としたホテルには、永井荷風も滞在した。ここから海外滞在に関する情報交換ルートの存在が窺える。その荷風を慶応義塾大学の教授に推薦した森鷗外は、「パンの会」などを通じて与謝野寛など多くの文学者や画家たちとも親交があった。このように、特定の人物の経歴をたどると、さまざまな人間関係が線として結ばれ、やがてそれが大きな文化圏を構成していた事実が明らかとなる。文化の進展について、個々の芸術家の個性を超えて、文化圏における相互影響という視点から探究する。