ナガノ コウジ
  永野 浩二
   所属   追手門学院大学  心理学部 心理学科
   追手門学院大学  大学院 心理学研究科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2016/11
形態種別 国内学会誌(First author)
査読 査読あり
招待論文 招待あり
標題 人間性心理学の立場からうつ状態を考える~日常生活におけるフォーカシング的態度を中心に〜
執筆形態 単著
掲載誌名 産業ストレス研究
掲載区分国内
出版社・発行元 日本産業ストレス学会
巻・号・頁 23(4),289-296頁
総ページ数 null
概要 人間性心理学的な立場では,「うつ状態」を「良い」「悪い」と単純にはみなさない。「予防した方がよいもの」とも決めつけない。うつ状態は,個別性のあるプロセスである。部分としては困ったことでも,全体的にはある機能を果たしている正常な反応と考えられる。そこに安全な形で関わり続けることで,しばしば創造的な生成過程が生じる。創造的なプロセスが生じるために,近年,「日常生活におけるフォーカシング的態度」(福盛・森川,2003)と呼ばれるある心理的な構えが注目されている。ここ10年来の「フォーカシング的態度」研究から示唆されていることは,以下の点である。
①この態度を持つ人たちは,質問紙における抑うつ状態や不安,身体症状などのネガティブな反応得点が低い。②また,幸福感や自己実現的態度,レジリエンス,モチベーションなどのポジティブな反応得点が高いという特徴を持つ。③生き生きとした状態とは,単なるポジティブな感情を感じている状態を指すのではない。ポジティブな状態,ネガティブな状態双方に開かれ,そこに関心を向け,一時的にうつ状態や心身の不調を体験しつつも,そこから意味を汲み取って変化していく状態と考えられる。