シンドウ  マサヒロ
  真銅 正宏
   所属   追手門学院大学  学長
   職種   学長
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2019/03
形態種別 学会誌における解説記事および書評
標題 書評・山本亮介著『小説は環流する―漱石と鷗外、フィクションと音楽』
執筆形態 単著
掲載誌名 『昭和文学研究』
掲載区分国内
出版社・発行元 昭和文学会
巻・号・頁 (78),207-209頁
概要 本書は、漱石と鷗外を扱うⅠ部と、現代作家を扱うⅡ部からなっている。これらの対象について、著者は文学を「主体」の倫理性や自由などから見る。作中人物の次元と、語り手の次元、さらには作者の次元では、その「主体」性にも相違があるが、著者の関心は、そのような次元差を軽視してでも、「主体」性の問題意識に向かう。次に著者は、文学作品を構成する作家、作者、語り手、そして表現の内と外の関係から導き出される虚構論へと議論を「環流」させる。結果、「残滓」とされる「近代文学」は、しかし未だに信じうる意義を持つ。このような二重性をまとった価値観により、本書は書かれている、と論じた。