シンドウ マサヒロ
真銅 正宏 所属 追手門学院大学 学長 職種 学長 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2019/10 |
形態種別 | 著書 |
標題 | 匂いと香りの文学誌 |
執筆形態 | 単著 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 春陽堂書店 |
総ページ数 | 320 |
概要 | 匂いや香りに限らず、我々は、大人になるにつれ、現実世界のあらゆる事象や事物に対して、ますます鈍感になっていく。本書は、文学テクストにおける文字による匂いや香りの表現について考察することにより、我々自身が置かれている、現代の嗅覚要素の変遷の事態についても意識化することを狙いとしている。記号学において最も難解な論点は、記号であるのに、どの段階かにおいて、読者個人の、私的で個的な、人間らしい感覚がどうしても入り込む点にある。原則的に共通性を追求する記号なるものを解読することが、最終的には個人の現実生活からもたらされる感覚等に委ねられているというアポリアである。匂いや香りが、想像力とどのように関係しているのか。特に読書途中の再現という作業において、読者はどのように匂いや香りを嗅ぎ、または、どのようにそれらを嗅がずに読書を継続させるのか。本書は、このような世の匂いや香りの魅力への、文学テクストの読書行為の仕組を介した接近の試みである。 |