マスザキ コウ
  増崎 恒
   所属   追手門学院大学  国際学部 国際学科
   追手門学院大学  国際教養学部 国際教養学科
   追手門学院大学  大学院 現代社会文化研究科 国際教養学専攻
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2023/06
形態種別 国内学会誌(First author)
査読 査読あり
標題 再創造(想像)されるイタリアとコロンブス―19世紀末米国の国際化から読み直すスティーヴン・クレイン
執筆形態 単著
掲載誌名 『中・四国アメリカ文学研究』
掲載区分国内
出版社・発行元 中・四国アメリカ文学会
巻・号・頁 (59),48-58頁
総ページ数 11
概要 1893年の世界コロンビア博覧会はアメリカ人の注目を集めた。イタリアの探検家クリストファー・コロンブスのアメリカ大陸発見を祝いつつ、ヨーロッパ人によるアメリカ大陸の発見から1893年までの発展を世界に示した。同年、スティーヴン・クレインの処女作『マギー街の娘』が出版され、ターゲットとしていた読者層、すなわち自分たちの出自を誇りに思うアメリカの主流派に向けた献呈文が添えられた。アメリカの1890年代には、外国からアメリカに押しかけてきたよそ者たちに対するある種の軽蔑が見られた。クレインは同時代のアメリカ人がそうであったように、彼らを敵視していた。外国人との関係、彼らの国、彼らの言語に焦点を当てて議論することで、彼の国際情勢への関心が高まり、単なる観光という文脈を超えて、当時の典型的な国際都市ニューヨーク市についてもっと書くようになったことが分かるかもしれない。ここでは、19世紀末のアメリカにおけるコスモポリタニズムとともに、アメリカ人であることの意味について、クレインがどのように考え、また彼自身が1890年代にそれにどのように対処したかを考察した。彼の小説、ニューヨーク市を描くスケッチ、個人的な手紙、そして『マギー』の献呈文を再解釈し、1893年の万博と絡めてコロンブスを見直すことで、コロンブスとイタリアを著者と読者の両方にとって無害で制御可能なものとして再イメージし、異質な要素に対する優位性が維持されるようクレインに促す国際的な思考様式が存在していたことを明らかにする。