ナカオ ゲン
中尾 元 所属 追手門学院大学 経営学部 経営学科 職種 講師 |
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言語種別 | 英語 |
発行・発表の年月 | 2022/12 |
形態種別 | 紀要(First author) |
標題 | Navigating the self, life, and career: Revisiting the theories of multicultural career competences |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | Otemon Business Management Review |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 28(2),pp.49-55 |
概要 | Nakao, G. (2022). Navigating the self, life, and career: Revisiting the theories of multicultural career competences. Otemon Business Management Review, 28 (2), 49-55.
【概要】 本稿は、カウンセリングにおいて人種的・民族的にマイノリティに位置づけられるクライエントに対応するカウンセラーの多文化的なキャリア・カウンセリングの資質について論じた。コンピテンシー・モデルの大枠として、これまで意識領域(awareness)や知識領域(knowledge)、そしてスキル領域(skills)が論じられてきたことを言及した。このような三大領域は依然として有効でありながら、文化の様々な定義や機能から今後更に発展が望まれることが示唆された。このような議論を受けて、多文化的なキャリア・カウンセリングの資質に関するコンピテンス観の整理として、理解中心のアプローチ(understanding-focused approach)と関係中心のアプローチ(Relationship-focused approach)の二つの流派があることが概観された。前者の理解中心のアプローチでは、文化変容の状態をカウンセリングの査定に取り入れる重要性が論じられた。後者の関係中心のアプローチでは、6つのカウンセリングのステップ(ないし過程)の観点からのモデルが論じられた。とりわけこの過程のモデルはCulturally Appropriate Career Counseling Model (CACCM)と呼ばれ、実際のカウンセリングにおいてカウンセラーとクライアントとの関係性の変化や、クライアントのキャリア上の課題の認識やゴール設定、そして意思決定のプロセスを明示化している点で、有効なモデルとして論じられた。このようなモデルの提示に引き続いて、キャリア・カウンセリングの実際上のクライアントへの介入の方法や状態の査定について、そして臨床上の技法について概観がなされ、カウンセリング特有の倫理的な観点も論じられた。 |