ナカオ ゲン
中尾 元 所属 追手門学院大学 経営学部 経営学科 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2022/01/25 |
形態種別 | 研究書 |
標題 | 異文化間能力のライフストーリー的研究―日本の長寿企業経営者との対話 |
執筆形態 | 単著 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 追手門学院大学出版会/丸善出版(発売所) |
総ページ数 | 164 |
概要 | 中尾元 (2022). 『異文化間能力のライフストーリー的研究―日本の長寿企業経営者との対話』 追手門学院大学出版会/丸善出版(発売所)。ISBN-13: 978-4907574307
【概要】 本研究は、質的研究として、異文化に対応するために求められる異文化間能力を、ライフストーリー研究法によって検討したものである。第一部では、異文化間能力の先行研究の整理や、それに基づいて筆者が構築をした3次元モデルについて論じた。この3次元モデルについては、数多く存在する異文化間能力についての定義や立場を整理するだけでなく、今後実証的に取り組むべき方向性について議論を行った。異文化間能力に関連する研究の一つの方向性として、とりわけライフストーリー研究とも親和性が高い形として、異文化接触以前の状態を意味する「異文化レディネス(心理的な準備性)」の観点が重要であることや、個人の時間幅での変化をみる発達的な観点からの考察が重要になる背景が論じられた。第一部では同時に、質的研究の方法論や認識論についても概観がなされた。 第二部では質的研究として行った調査内容について論じた。面接調査によって得られたライフストーリーの「語り」を整理・分析した結果、日本人企業家が異文化接触をするなかで、特に海外のリーダー層の人々と関わる上で「構造主義的認識能力」が重視されていること、そしてその背景として「寛容性・他者の尊重」という特性があることが明らかになった。とりわけ、上記の構造主義的な認識については、異文化間での共通項や他者との共通の体験に目を向ける意識について、異文化間能力の枠組みで論じられた。最後に、日本人企業家の異文化経験について考察をするにあたり、これまで論じられてきたような経営学の異文化ビジネスの分野に留まらず、哲学(認識論)や社会学、文化人類学、教育学、心理学等の学際的領域でのアプローチの可能性について論じられた。 |