ナカオ ゲン
中尾 元 所属 追手門学院大学 経営学部 経営学科 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2023/03 |
形態種別 | 研究書 |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 第3章第3節 「文化とコミュニケーション」 |
執筆形態 | 共著・編著(代表編著を除く) |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | ナカニシヤ出版 |
担当区分 | 筆頭著者 |
著者・共著者 | 中尾元・内田由紀子 |
概要 | 中尾元・内田由紀子 (2023). 「第3章第3節 文化とコミュニケーション」岡本真一郎(編)『コミュニケーションの社会心理学―伝える,関わる,動かす』 pp. 173-189, ナカニシヤ出版。
【概要】 本チャプターは文化とコミュニケーションが言語学、社会学、文化人類学、教育学、心理学等の学際的領域で論じられてきたことを検討したものである。第一に、コミュニケーションの代表的な定義にはじまり、言語行動と非言語行動の特徴や内容について整理をした。次に、諸分野からの文化のいくつかの定義を概観した。文化人類学や心理学、発達論、そしてコミュニケーション論等からの文化の定義を概観することで、文化の様々な現象や意味内容、そして機能のうち、どのような側面が各分野で強調されてきたかを含めて概観をした。上記の議論に引き続き、文化の特徴を把握するために広く使われてきた概念の一つである個人主義および集団主義といった概念について、批判も含めて概観を行った。このような観点から、とりわけコンテクスト(文脈)がどのように人々のコミュニケーション様式に影響を与えているかに焦点を当て、関連するいくつかの実証研究をレビューした。 更に、カルチャーショック等の異文化接触における課題や、異文化間能力について、またエスノメソドロジーやアクティブ・インタビューの方法論の可能性を論じた。具体的には、文化が重要な役割を果たすコンテクスト(文脈)の検討のために、実際の異文化接触の場を記述的に検討するアプローチが益々有効になることを論じた。すなわち、必ずしも文化どうしを比較する発想に留まらず、人々の接触の際にどのようなことが立ち現れる(stand out; emerge)のかに着目し、「(異)文化性」をはじめとして、社会的文脈や権力関係(power relations)がどのように構築されているのかを検討する立場を論じた。この立場について、ポストモダンの系譜に立つ批判理論等について言及をした。最後に、調査法としての可能性として、エスノグラフィーやエスノメソドロジー、そしてアクティブ・インタビューについて触れた。 |