ナカオ ゲン
中尾 元 所属 追手門学院大学 経営学部 経営学科 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2022/06 |
形態種別 | 研究書 |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 「異文化間能力(大項目)」「異文化間トレランス」「エージェンシー」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『異文化間教育学事典』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 異文化間教育学会 |
概要 | 異文化間教育学会の編集委員からの招待を受けた、事典の項目執筆である。
【概要】 本事典項目は、自らと異なる基準や文化背景を持つ人と関係を築くための能力の総称である異文化間能力に関して概観をしたものである。このような資質については、近年ユネスコが地球市民教育の文脈で論じていることや、OECDが論じている背景について言及をした。主に(1)異文化間能力の諸前提、(2)五つの能力の類型化、(3)今後実証研究がなされるべき諸概念について整理をした。 とりわけ、異文化間能力の類型に関して、特性論や態度・世界観、実際に取りうる行動としての能力、発達論、そして統合的立場の各系譜について概観を行った。それぞれの立場については、理論的な背景だけでなく、実証的な検討や異文化トレーニングの実践が含まれることについても言及をした。同様にして、特性論や発達論、統合的にみる立場などの諸系譜に関連して、異文化接触の帰結としてのメンタルヘルスとも関係が深いことを論じた。 更に、先述の系譜のなかの特性論に位置づくものとして、「異文化間トレランス」について概観をした。このトレランスの基本的な内容と同時に、異文化接触の過程のなかで個人によってどのような反応や調整がなされるのかが概説された。同時に、近年教育の観点からも検討がなされてきているエージェンシー(行為主体性)について、OECDのStudent agency(学習者のエージェンシー)や、ポストモダニズムの関係論の系譜について概観を行った。 本稿が行ったような理論的整理や今後実証的な検討が期待されるテーマについての言及、そして実践的な異文化トレーニングとの関連などの観点により、本テーマについて学ぶ学生も含め、異文化間教育に関与する様々な人々が具体的に研究や実践を進めていくことが可能であると論じた。 |