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ミズタニ タカシ
水谷 隆 所属 追手門学院大学 文学部 人文学科 追手門学院大学 大学院 現代社会文化研究科 国際教養学専攻 職種 教授 |
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| 言語種別 | 日本語 |
| 発行・発表の年月 | 2025/08/31 |
| 形態種別 | 論文 |
| 査読 | 査読あり |
| 標題 | 古今和歌集の「垣間見」の歌に関する考察 |
| 執筆形態 | 単著 |
| 掲載誌名 | 日本文化学報 |
| 掲載区分 | 国外 |
| 出版社・発行元 | 韓国日本文化学会 |
| 巻・号・頁 | (106),189-213頁 |
| 概要 | 本稿では、古今和歌集にみられる「垣間見」で始まる恋の歌群について考察を加えた。
まず在原業平の歌について、第三句「恋しくは」における現行の諸注釈書の問題点を指摘し、古注の説に戻るべきであることを述べた。その上で、業平歌およびそれに対する女の返歌が、垣間見の後に女の素性を知ることによって恋が始まるという当時一般の常識を踏まえながらも、そうした常識を超越させることで、在原業平という人物にふさわしい、物語的な贈答として構成されていることを述べた。次いで配列されている忠岑と貫之の歌は、前述の一般常識の枠内で進行された、いわば現実的な垣間見の姿を過不足なく描き出したものであることを指摘した。最後に、古今集の垣間見歌が緻密な構成を持たされた理由として、業平歌をそのまま取り込むことへの違和感を軽減するための撰者たちの工夫であった可能性を提示した。 |