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            ニシオ ノブアキ
           西尾 宣明 所属 追手門学院大学 文学部 人文学科 追手門学院大学 国際教養学部 国際日本学科 追手門学院大学 大学院 現代社会文化研究科 国際教養学専攻 職種 教授  | 
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| 言語種別 | 日本語 | 
| 発行・発表の年月 | 2016/03/01 | 
| 形態種別 | 国内学会誌(その他) | 
| 査読 | 査読あり | 
| 招待論文 | 招待あり | 
| 標題 | 戦後性、身体性、「第三の新人」 ―島尾敏雄と庄野潤三の一九五〇年前後― | 
| 執筆形態 | 単著 | 
| 掲載誌名 | 昭和文学研究 | 
| 掲載区分 | 国内 | 
| 出版社・発行元 | 昭和文学会 | 
| 巻・号・頁 | (72),38-50頁 | 
| 総ページ数 | 234 | 
| 概要 | 島尾敏雄と庄野潤三は、関西で創刊した同人雑誌「光耀」によって戦後の文学活動を始める。その第三輯に掲載された島尾の『夢中市街』と庄野の『居眠り王様』は、ともに敗戦によって精神的立脚点を喪失した人物を主人公としている。これらの作品は、二人が職業作家として認知され始める一九五〇年前後の作品の基点となっている。しかし、こうした戦後的な喪失感や、それとは二律背反的に描かれるアメリカ的な物質社会への憧憬や願望も充足されることはない。この時期の両者の作品には、そうした現実の中で唯一確信できるものとして、身体感覚が表象される。この究極の個的感覚というべき場的直観的な世界との登場人物の関係のあり様が、二人のこの時期の小説の特質として指摘できる。このような表現方法を志向する運動の繰り返しが、島尾と庄野の創作原理であり、「文学史」においては、それを「第三の新人」的と認識するべきではないかと、結論づけた。「第三の新人」の文芸的内実性の基点を戦後文学史の展開を視野に入れ考察した論考である。なお、掲載誌は、「第三の新人」企画特集号である。 |