ウドウ ユタカ
  有働 裕
   所属   追手門学院大学  文学部 人文学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2025/07/15
形態種別 国内学会誌(First author)
査読 査読あり
標題 「おさん・茂兵衛の「実説」をめぐって――『武辺大秘録』『武辺秘録』の検討――」
執筆形態 単著
掲載誌名 近世文藝
掲載区分国内
出版社・発行元 日本近世文学会
巻・号・頁 (122)
総ページ数 13
概要 西鶴の『好色五人女』巻三「中段にみる暦屋物語」や近松の『大経師昔暦』の題材となった事件について、諏訪春雄氏は「大経師昔暦の実説」(『近世文芸』二十二号)で、「京都所司代の法令類を輯め役人の参考にした書籍」に、天和三年九月二十二日に粟田口にて、おさんと茂兵衛が磔、下女たまが獄門に処されたとあることを指摘している。ただし、諏訪氏が参照したのは、『趣味』明治四十二年三月号掲載の春蘿生による記事であった。以後その「書籍」の現物についての報告はなされていない。
その春蘿生の記述とほぼ同様のものが、国立国会図書館蔵『武辺大秘録』、宮内庁書陵部蔵『武辺大秘録』、岡山大学附属図書館蔵『武辺大秘録』、京都大学大学院文学研究科図書館蔵『武辺秘録』に見出せる。本論文では、これらの資料を春蘿生が参照した可能性、西鶴や近松の作品との差異から考えられること、記録としての信憑性等について述べた。