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ヤマモト ケンジ
Kenji Yamamoto
山本 顯治 所属 追手門学院大学 法学部 法律学科 職種 教授 |
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| 言語種別 | 日本語 |
| 発行・発表の年月 | 2006/03 |
| 形態種別 | 論文 |
| 査読 | 査読あり |
| 標題 | 現代不法行為法学における「厚生」対「権利」――不法行為法の目的論のために |
| 執筆形態 | 単著 |
| 掲載誌名 | 民商法雑誌 |
| 掲載区分 | 国内 |
| 巻・号・頁 | 133(6),1-53頁 |
| 著者・共著者 | 山本 顯治 |
| 概要 | 現代不法行為法学を理解する上で不可欠となっている不法行為の目的論を巡る新たな理論動向を主題的に論じた。論文の前半では、現代不法行為法学においては一方で「権利論」を基盤として不法行為法を理解しようとする見解が唱えられており、それは個人の権利の犠牲において社会厚生を最大化することを正当化する功利主義的な法的思考が、現代の個々の解釈論の基礎に見え隠れすることを批判し、リベラルな正義原理に基づいた私法の原理的・解釈論的再構築を企図しようとすることを見た。本稿はその具体的な論争点として、過失の判断基準として提唱されてきたハンドの定式を巡る「厚生 対 権利」という思考様式の対置状況を取り上げ検討した。論文の後半では、権利論的不法行為法理論の基盤をなし、その前提問題をなす「権利の創設」「権利の正当化」を採り上げ検討した。一方では自然権的な権利論が提唱されているのに対し、他方では、財の効率的利用を保障し、これにより社会厚生を最大化するための手段として権利を捉えるという立場が存している。本稿ではその具体例として、ハロルド・デムゼッツやギャレット・ハーディンにより論じられた「コモンズの悲劇」を検討し、続いて権利を認めると財の非効率な利用が惹起される場合には当該権利には制約を加えることが正当化されるとする「アンチ・コモンズの悲劇」論を紹介・検討した。そして、ブキャナンとヨーンの経済分析モデルに依拠しつつ、コモンズの悲劇とアンチ・コモンズの悲劇はモデルにより統一的に捉えることが可能であること、両者の対称性を明らかにした。本稿以前には、不法行為法を効率性の観点から評価しようとする見解は70年代初頭における平井宜雄博士や浜田宏一博士による優れた研究が公刊されていたものの、その後80年代になり、民法学においては不法行為法を効率性の点から検討しようとする見解は殆ど皆無と呼べる状態であった。本稿は、これに警笛をならし、不法行為法に対して経済分析が持つ重要性、有用性に民法学は取り組むべき事、同時に、権利という視点を失うことなく、両者の緊張関係に正面から取り組むべき事を論ずるものである。 |