|
ヤマモト ケンジ
Kenji Yamamoto
山本 顯治 所属 追手門学院大学 法学部 法律学科 職種 教授 |
|
| 言語種別 | 日本語 |
| 発行・発表の年月 | 2024/03 |
| 形態種別 | 紀要(First author) |
| 標題 | 契約不適合責任と錯誤 --契約を起点として契約責任を考える |
| 執筆形態 | 単著 |
| 掲載誌名 | 追手門法学 |
| 掲載区分 | 国内 |
| 巻・号・頁 | (1),33-46頁 |
| 担当区分 | 筆頭著者,最終著者,責任著者 |
| 著者・共著者 | 山本顯治 |
| 概要 | 平成29年改正民法が確立しようとした「契約を起点として契約責任を考える」という基本原則の重要性を明らかにするために、契約不適合責任と錯誤を題材として検討を行った。
改正民法のもとでこの問題を論じるにあたっては、起点となる契約内容を確定し、契約不適合責任と錯誤の主張者が同一主体なのか、異主体なのかを区別することが重要となる。しかし、特定物の性質が契約内容にならないとする改正前に唱えられた法定責任説のもとでは、この問題は顕在化しないことをまず論じた。 続いて、改正民法が採用した契約責任説においては、特定物が通常備えるべき性質は原則として契約内容になるとされるため、買主の内心的効果意思と表示行為から推断される効果意思の間に不一致はなく、表示錯誤は成立せず、不適合責任のみが成立し、よって、契約不適合責任と錯誤の選択的主張は同一の契約内容を前提として両立することはないことを明らかにした。この場合、買主という同一主体が契約不適合責任と錯誤を選択的に主張しようとするならば、通常の性質が契約内容になった場合の契約不適合責任の主張に対し、錯誤主張は、通常の性質が契約内容になっていないという認定が裁判所によりなされた場合についての予備的主張としてのみ可能であることを指摘した。 さらに、改正法のもとでは、特定物の通常の性質が契約内容になっている場合には表示錯誤は成立しないものの、95条1項2号の法律行為の基礎錯誤(動機錯誤)が成立する余地があるとする見解(併存説)を取り上げ、これを批判的に検討した。 第一に、性質が契約内容になっている場合には、当該性質を欠いた給付がなされた場合には、契約不適合責任(債務不履行)による処理がなされるべきであり、内心的効果意思通りの契約が成立している場合に、契約内容になった性質を対象として2号錯誤を主張することを認めることは、表意者の法的利益が契約に取り込まれていない場合に錯誤による保護は与えられるという錯誤制度の目的を逸脱することを指摘した。 第二に、性質が契約内容になっている場合にも2号錯誤の成立を認めることは、「債務が履行される(不適合性がない)と考えて契約を締結したにもかかわらず、債務不履行が生じた(不適合性があった)」ことを理由として錯誤の成立を認めることと等しく、2号錯誤の無限定な拡張が惹起されることを指摘した。 第三に、併存説では、「契約を起点として契約責任を考える」という基本原則は、債務内容の確定以上の意味を持たなくなることを指摘した。 |
| PermalinkURL | http://www.i-repository.net/il/meta_pub/G0000145OTEMON_701240303 |