マツシゲ タクヤ   Matsushige Takuya
  松繁 卓哉
   所属   追手門学院大学  社会学部 社会学科
   追手門学院大学  大学院 現代社会文化研究科 現代社会学専攻
   職種   教授
言語種別 英語
発行・発表の年月 2023/02
形態種別 論文
標題 【Recent topics in public health in Japan 2023】 Issues in end-of-life care and organizing and prospecting ethical and legal issues of Voluntary Stopping of Eating and Drinking (USED) in Japan)
執筆形態 共著・編著(代表編著を除く)
掲載誌名 保健医療科学
掲載区分国内
出版社・発行元 国立保健医療科学院
巻・号・頁 72(1),pp.22-30
著者・共著者 湯川 慶子,松繁 卓哉
概要 世界に類を見ない高齢化が進み,年間約130万人が亡くなる「超高齢多死社会」の中で終末期医療への関心が高まっている.さまざまな学会が終末期医療のあり方をガイドラインなどで取り上げ,2018年には厚生労働省も終末期医療に関するガイドラインを11年ぶりに改訂した.国民の間でも「終活」として自らの人生の締めくくりへの関心が高まり,「望ましい死に方」やそれに対応する医療のあり方などが議論されるようになっている.どのような終末期医療が求められるのか,医療福祉関係者はどのように患者や家族に寄り添うべきか,医療技術の進歩で患者の延命は可能になったが患者自身が延命を望まない場合はどのように対応すればよいのかなど,終末期医療は様々な問題をはらむ.患者が延命を望まない場合,「安楽死」「尊厳死」「医師による自殺幇助」といった選択肢もあるが,患者の理想とする死に方の追及(患者の意思決定)と,治療を求められる医療従事者との間の葛藤の場面と言える.本稿では,これまで終末期にある患者の意思決定が尊重された結果,医療者により人工呼吸器や延命治療の差し控えや中止が行われた事件について医療者にどのような司法判断が下されたのか,法学上の議論も踏まえながら整理を試みる.特に,終末期における自発的飲食中止(VSED)に関する研究や基盤整備は諸外国に比べ,わが国では遅れている.そのため,これに関する倫理・医療実践・法整備の面での課題を整理し,日本におけるVSEDに関する知識の普及,法・ガイドライン等の整備,倫理綱領の策定に向けた議論を行う.(著者抄録)