ヤマモト ケンジ   Kenji Yamamoto
  山本 顯治
   所属   追手門学院大学  法学部 法律学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2010/03
形態種別 論文
招待論文 招待あり
標題 投資行動の消費者心理と勧誘行為の違法性評価
執筆形態 単著
掲載誌名 北海道大学グローバルCOEプログラム 新世代法政策学研究
掲載区分国内
出版社・発行元 北海道大学グローバルCOEプログラム「多元分散型統御を目指す新世代法政策学」事務局
巻・号・頁 5(5),197-227頁
著者・共著者 山本 顯治
概要 海外先物取引の違法勧誘が争われた名古屋地裁平成4年10月21日判決を取り上げ、同判決の前提に存する「合理的投資家像」を行動経済学の知見に基づいて検討した。前半ではトベルスキー&カーネマンにより考案された行動経済学における「プロスペクト理論」を検討し、「参照点依存性」「損失回避性」「感応度逓減性」が投資取引に対して有する意義につき検討した。これにより投資家の行動に対しては「損失を被ったならばそこから学ばねばならない」という合理的当事者像を基礎として法的評価を行うことは現実の投資家像を捉えたものとはいえず、行動経済学の知見を用いるならば、「損失を被ったならば人はますます不合理になる」という投資家像を基礎にして法的評価を行わねばならないことを明らかにした。論文の後半では、明らかになった行動経済学の知見に基づき「取引の節目」に着眼する新たな勧誘規制を行う必要性を提言した。当初慎重な投資を行っている投資家は、一旦損失を被ると当初想定することのできないほどの精神的ショックを感じ、損失を取り返そうとしてリスクの大きな取引に手を染めるという性癖を有する。勧誘側は経験的にこのような投資家の性癖を知っているため、少額の取引で取引を開始し、後は、投資家が損失を被る時をじっと待つという戦略を採る。そして、投資家が損失を被った時が勧誘者にとってのビジネスチャンスであり、これ以降、投資家は巨額のリスクある取引にのめり込んで行くことになる。このような取引の節目、特に、損失を被った時に着眼し、その時点での勧誘態様に着眼することで勧誘行為の違法性を基礎付けることができることを論じた。
ISSN 1883-342X
NAID 40017189494
PermalinkURL http://lex.juris.hokudai.ac.jp/gcoe/journal/LPG_vol5/5_8.pdf