キムラ ダイキ
Kimura Daiki
木村 大樹 所属 追手門学院大学 心理学部 心理学科 追手門学院大学 大学院 心理学研究科 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2017/03 |
形態種別 | 紀要(First author) |
査読 | 査読あり |
標題 | 裏切られる体験についての心理臨床学的考察 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 京都大学教育学研究科紀要 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 京都大学大学院教育学研究科 |
巻・号・頁 | 63(63),55-66頁 |
著者・共著者 | 木村大樹 |
概要 | 本稿の目的は,裏切られるという体験の心理学的背景と,心理療法における裏切りの現れ方について明らかにすることである。文献展望や臨床経験から,裏切られ体験は融合的関係とナイーヴさという二つの心理的背景を持つタイプが想定できる。融合的関係の破綻はこれまでに「幻滅」などとして考察されてきたが,自閉症スペクトラム者などに見られるナイーヴ型の裏切られ体験は筆者が新たに提示したものである。『新約聖書』におけるイスカリオテのユダの挿話を基に,裏切りが事後的に色づけられる様と,裏切られた者が超越とつながることによって裏切りが裏切りではなくなるという裏切りの道筋を描いた。さらに,阿闍世物語を基に,もう一度対象との一体感を回復することで裏切りを解消するという帰結も示した。最後に,究極的には心理療法においては常に裏切りの可能性が潜在していることを示した。なお,本稿では「甘え」や「オモテとウラ」といった日本文化と裏切りの関係についても考察している。しかし,本稿では臨床事例を扱わなかったため,具体性を持って示すことはできなかった。今後,裏切られる体験を扱った臨床的知見を積み上げることが求められる。 |
ISSN | 1345-2142 |
NAID | 120005998121 |
PermalinkURL | http://id.ndl.go.jp/bib/028341099 |
researchmap用URL | http://hdl.handle.net/2433/219257 |