モリタ タケヒコ   Morita Takehiko
  盛田 健彦
   所属   追手門学院大学  大学所属
   職種   教授
研究期間 2017/04/01~2022/03/31
研究課題 力学系のエルゴード理論的挙動に付随する様々な極限定理とその応用に関する研究
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(B)
研究機関 大阪大学
研究者・共同研究者 盛田 健彦,杉田 洋
概要 平成29年度に引き続き、代表者が以前発表した1次元力学系の中心極限定理から派生する局所極限定理と観測量の分解を「ひな形となる定理」と位置づけ、以下のような研究を行った。 (1) 観測量の分類や極限分散の非退化条件の特定に関連して、狭義定常列におけるマルチンゲールコバウンダリー分解の一意性についてエルゴード分解によらない新しい証明を与え、論文 “An alternative proof of the uniqueness of martingale-coboundary decomposition of strictly stationary processes”にまとめ、既存の証明が掲載されている学術雑誌へ投稿したところ掲載が決定した。 (2) 「ひな形となる定理」における混合性条件を精査する工程の副産物として、ランダム力学系に関する標本毎中心極限定理に関する結果を得て、2018年11月大阪大学で開催された研究集会「エルゴード理論とその周辺」での招待講演“Sample-wise central limit theorem with deterministic centering for non- singular random dynamical system”で発表した。 (3) 「ひな形となる定理」をモジュラー曲上の測地流の周期軌道分布の解析に応用した研究を2次微分のモジュライ空間上のタイヒミュラー測地流の場合に拡張する試みについては、代表者による先行研究をさらに発展させるアイデアを得た。これに関しては過去の成果も含め2019年2月に早稲田大学で開催された2018年度「リーマン面・不連続群論」研究集会の招待講演において解説した。 以上の結果は本研究と同時に進めている「ゆらぎの定理」と関係する他の研究課題とも連動しており、相互に一方が他の研究の駆動力となることが期待される。
PermalinkURL https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H02850