マツシゲ タクヤ
Matsushige Takuya
松繁 卓哉 所属 追手門学院大学 社会学部 社会学科 追手門学院大学 大学院 現代社会文化研究科 現代社会学専攻 職種 教授 |
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研究期間 | 2017/04/01~2021/03/31 |
研究課題 | 患者視点の理解と臨床活用のためのプログラムの開発 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(C) |
研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究者・共同研究者 | 松繁 卓哉,牛山 美穂,孫 大輔,三澤 仁平 |
概要 | 2017年度の成果をふまえ、2018年度は研究の第二段階として、患者・当事者が抱える諸問題の理解に関する方法的検討に着手した。具体的には、医師・看護師・薬剤師・社会福祉士・介護支援専門員ほか、保健・医療・福祉の対人援助職従事者が臨床で参照できる患者視点理解のためのプログラム(理論的枠組み~手法~実践ツール)の骨子について、既存の手法の問題点を整理する作業を通じてとりまとめた。 ここでは、研究代表者・研究分担者それぞれの専門領域・研究知見、すなわち、患者のLay Expertiseに関する研究(松繁)、共感能力の育成と対話の技法に関する研究(孫)、健康不安・主観的健康観に関する研究(三澤)、患者を取り巻く治療の「不確実性」に関する研究(牛山)が参照・統合された。近年の「意思決定支援」のアプローチとは異なり、「問題解決」を必ずしも前提とせず、病や障害の当事者の自己理解に焦点を当てる、独自のプログラムの骨子が作成された。 患者・当事者の自己理解を形成するアプローチとして本研究が採用しているのは、近年、科学コミュニケーション等の場で成果を上げてきている熟議(deliberation)アプローチである。熟議アプローチにおいては、医療専門職の所見やエビデンスの説明や同意は目指すべき到達点とするのではなく、熟議に参加する者同士(医療のコンテクストでいえば患者と医療者)の間に見解の相違が存在する場合に、その相違の背景にある、それぞれの思考様式・プライオリティを辿っていくこと自体が目的となる。2018年度の成果をふまえ、2019年度は熟議を深めていく技法について、研究班メンバーの教育実践等で試行し、評価を行いながら、プログラムを精錬していく。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K04302 |