モリタ タケヒコ
Morita Takehiko
盛田 健彦 所属 追手門学院大学 理工学部 数理・データサイエンス学科 職種 教授 |
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研究期間 | 2004~2006 |
研究課題 | タイヒミュラー測地流の周期軌道分布と力学系ゼータ関数に関するエルゴード理論的研究 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(B) |
研究機関 | 広島大学 |
研究者・共同研究者 | 盛田 健彦,吉野 正史,松本 眞,川下 美潮,須川 敏幸,仲田 均,榎本 彦衛 |
概要 | 本研究の目的は,複素上半平面を種数,2以上の閉リーマン面のタイヒミュラー空間に,モジュラー群を写像類群に,モジュラー曲面を閉リーマン面のモジュライ空間に置き換えることによって,古典的なモジュラー曲面上で展開され,多方面で応用されている理論が、どのような形に拡張,あるいは,変貌するかを,力学系理論,エルゴード理論の視点から見極めようとする試みの一端をになうことである. 初年度(平成16年度)は,Rauzy inductionに関するゼータ関数の解析接続に焦点をしぼった.そのためには,特異点を許容する双曲力学系のゼータ関数の解析接続の具体的方法の幾つかを検討し,一般的技法を確立する必要がある.典型的な例として無食条件をみたす2次元散乱開撞球のゼータ関数について考察し,安定多様体のホロノミーのリプシッツ連続性を証明し,ゼータ関数を虚軸を越えて有理型に解析接続する手法を確立した. 平成17年度は,目標とするタイヒミュラー測地流に関する素数定理型定理を得るために,前年度の結果の改良に向けて,引き続き特異点を許容する双曲力学系のゼータ関数の具体例に関してより体系的な解析接続の手法を発掘することと,その次の段階への準備として,熱力学形式によるRauzy inductionの大域的性質の解析に重点をおいた.前者については,予。想以上に難しい問題を含んでいることが判明した.当初の計画どおりとは行かなかったが,副産物として以前から進めていた無食条件をみたす2次元散乱開撞球系のゼータ関数の原点での特殊値に関する結果を完成することができた.この結果は学術雑誌Ergod.Th. & Dynam.Sysに掲載された.後者については,あるクラスに属する繰り込まれたRauzy ipduictionに関する弱局所型中心極限定理を完成することができた. 最終年度(平成18年度)には,最近Bufetov氏によって得られた評価式に着目しRauzy-Veech-Sorich inductionの繰り込みに関する素数定理型定理の証明に到達した.現在論卒投稿に向けて準備を進めている. |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16340048 |