アサヌマ タケシ
ASANUMA TAKESHI
淺湫 毅 所属 追手門学院大学 文学部 人文学科 追手門学院大学 大学院 現代社会文化研究科 国際教養学専攻 職種 教授 |
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研究期間 | 1994~1996 |
研究課題 | 法隆寺献納宝物と正倉院宝物の源流に関する調査研究-シュリーヴィジャヤ王国関連の彫刻・工芸作品を中心に- |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 国際学術研究 |
研究機関 | 東京国立博物館 |
代表分担区分 | 研究分担者 |
研究者・共同研究者 | 鷲塚 泰光,加藤 寛,奥村 秀雄,寺島 洋子,鈴木 恒之,岡田 健,長岡 龍作,竹内 奈美子,木村 法光,今井 敦,淺湫 毅,浅井 和春,高橋 隆博,時枝 務,加島 勝,沢田 むつ代,松本 伸之,加藤 寛,安達 直哉,原田 一敏,小松 大秀,大隅 晶子,金子 啓明,関根 俊一,スワティ カルティワ,小笠原 小枝,カルティワ スワティ,グナワルダナ レスリー,ニコム ムシガ カマ |
概要 | 1.実施した調査研究内容 本研究では3カ年(平成6年度〜8年度)の研究期間に、以下のような調査研究を行なった。 (1)文献史・資料および写真資料等の整理 各年度とも訪問地に関する関係作品、制作技法、材料等について国内外の関連史・資料、写真資料を収集しカード化して整理した。 (2)現地調査(訪問先の詳細は派遣者名簿〔様式8〕の項に記載) 交渉史・陶磁史・考古班-スリランカ、インドネシア、タイの各大学・博物館・寺院・関連遺跡において碑文資料・出土品等の調査および交渉史、陶磁史、考古関連資料の収集を行なった。 彫刻史班-ベトナム、シンガポール、スリランカ、インド、タイ、カンボジア、ミャンマー、インドネシア、マレーシアの各博物館・寺院・遺跡において彫刻作品の調査および関連資料の収集を行なった。 染織史班-スリランカ、インドネシア、タイ、ラオス、ベトナム、ミャンマー、ブ-タン、インドの各大学・博物館・染織品制作工房において染織作品の調査および関連資料の収集を行なった。 金工史班ーシンガポール、スリランカ、インド、タイ、カンボジア、ミャンマー、ベトナムの各博物館・遺跡において金工作品の調査および関連資料の収集を行なった。 漆工史班-タイ、ミャンマー、ブ-タン、ベトナムの各大学・博物館・漆工作品制作工房において関連資料の収集を行なった。 (3)現地調査資料の整理と考察 (2)の現地調査で得られた調書、写真資料等をカード化(重要作品に関してはフォトCDにデジタル化して保存)して整理し、(1)で得られた史資料と比較検討しながら、各班ごとに考察を行った。 (4)研究会 定期的に、日時および発表者を定め、各分野の研究成果の報告ならびに現地調査にむけての情報交換を行った。 (5)研究統括 研究分担者の参加により、各年度ごとの研究成果に検討をくわえ、3カ年の調査研究の統括を行なった。 2.新たに得られた知見 本調査研究によって新たに得られた知見の概要は以下の通りである(年度毎に記載)。 平成6年度 (1)ベトナムでの調査により、中国南北朝期あるいはその影響下に制作されたと思われる金銅仏の存在が明らかになり、当該時代の両国間の文化的交渉が確認された。 (2)マレーシアケダ州ブジャンバレー遺跡出土の舎利容器および内容品が、中国、朝鮮半島および日本のそれと密接な関係にあることが確認された。 (3)スリランカでの調査により、シュリヴィジャヤ研究にかかすことのできない碑文集成を収集した。 (4)同じくスリランカでの調査により、パンタギと呼ばれる木工および象牙類の染料は、正倉院宝物や法隆寺献納宝物中のバチル製品との関連性が注目された。 平成7年度 (1)タイ東北部の調査において、カンボジアの7〜8世紀に制作された作品と同一様式で作られた浮き彫り群が現存することが新たに確認された。 (2)タイ西北部の調査で、ミャンマー製挽き物漆器を実見し、同地域が籃胎キンマ漆器だけの製作地でないことを確認した。 (3)ミャンマーの調査で、同地域の陶磁器は従来、中国陶磁の強い影響下で制作されたものとみなされていたが、西アジアの影響を受けた制作技法も認められることが判明した。 (4)ブ-タン西部の染織品調査で、タイで使用されていた紋機(はた)とはことなるh機を確認した。また、同地域では茜等による植物染料も一部で使用されていることが判明したのも新たな知見である。 平成8年度 (1)タイ南部の調査で、シュリビジャヤの一方の故地と目されるスラ-タニ-を含め、古代海上ルート上の遺跡を調査し、スマトラ、パレンバン周辺の遺跡出土の隋代の鶏冠壺を確認することができた。 (2)インドネシアの調査で、インド南部から中国への仏像伝播を考える上で重要な作例をスマトラ島で確認することができた。 (3)インドの調査で、インド東北部出土の舎利容器および内容品がマレー半島、中国、朝鮮半島、日本のそれ(平成6年度の新知見〔3〕)の源流となることを確認した。 (4)ベトナム、ラオス、タイの調査で当該地域の染織技法に密接な共通性が認められた。 (5)おなじくベトナムの調査で、正倉宝物「漆胡瓶」と共通する巻胎漆器を確認した。 (6)ミャンマーの調査で、パガン潮から続くビルマ漆器の調査によって得た制作技法も新知見である。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-06041118 |