アサヌマ タケシ
ASANUMA TAKESHI
淺湫 毅 所属 追手門学院大学 文学部 人文学科 追手門学院大学 大学院 現代社会文化研究科 国際教養学専攻 職種 教授 |
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研究期間 | 2001~2004 |
研究課題 | 中尊寺経を中心とした平安時代の装飾経に関する総合的研究 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(A) |
研究機関 | 独立行政法人国立博物館京都国立博物館 |
代表分担区分 | 研究分担者 |
研究者・共同研究者 | 興膳 宏,下坂 守,泉 武夫,赤尾 栄慶,百橋 明穂,宇都宮 啓吾,羽田 聡,宮川 禎一,淺湫 毅 |
概要 | 金剛峯寺蔵中尊寺経(指定では4296巻)に対する調査研究としては、これまで2352巻分を終え報告書を既刊してある。本研究はそれに続くものであり残りすべての経巻の調査をひとまず完了することができた。以前のデータを含めて学術的検討を加えた結果、金剛峯寺中尊寺経として扱われているもののなかに、当初(12世紀初め)の藤原清衡発願経(清衡経)のほかに後補のものが混入していることが判明した。最終的には金銀字一切経は未指定1巻を含めて4297巻が確認でき、ほかに清衡没後に制作された金字法華経6巻が合体し、4303巻が346箱の黒漆経箱にまとまって収納されていることがわかった。うちわけは清衡経が4269巻、後補巻が28巻である。清衡経をさらに文字色で分けると金銀交書経4181巻、金字経4巻、銀字経84巻となる。見返絵については、清衡経全体で4231件あり、そのうちのほとんど(98%)は説法図をモティーフとしていることがわかった。 今回の調査でも多数の花押の墨書、墨印のほか、三通の消息断簡および文書案断簡一紙が料紙として使用されていることが発見された。このうち『仏性論』巻第四から見つかった文書案は、中宮大夫某と斎院宣旨なる女性との田地争論にさいし、斎院宣旨の提出した文書を書きあげた注文で、治安3年(1023)から延久6年(1074)までの証拠文書が提出されている。争論の当事者となった斎院宣旨はじつは『狭衣物語』の作者とされる人物と目され、これまで没年しか知ることのできなかったこの作者について、希有な史料が出現したことになろう。加えて『破外道小乗涅槃論』巻末紙背からも、元永元年(1118)の年記のある墨書が新たに確認された。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-13301004 |