ホウチン テルヒサ
Teruhisa Hochin
寶珍 輝尚 所属 追手門学院大学 理工学部 情報工学科 職種 教授 |
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研究期間 | 2021/04/01~2024/03/31 |
研究課題 | ポジティブ・コンピューティングのための調和を利用した視聴覚素材の生成 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(C) |
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究者・共同研究者 | 寶珍 輝尚 |
概要 | 人間をよりポジティブにする情報処理であるポジティブ・コンピューティングが提案されている.ここで,快-不快と覚醒-非覚醒で構成される2次元平面上に感情を布置するラッセルの感情円環モデルを参考にして,ポジティブ-ネガティブという次元に覚醒・活動的-非覚醒・非活動的の次元を加えた二次元の感情空間でポジティブ感情への誘導を行うことを提案している.また,筆者らが構築してきている印象に基づいて画像や音といったマルチメディアデータを相互に検索する感性マルチメディア検索システムを使用すると,様々な感情状態に合致したマルチメディア素材を選出することが可能であることを示してきている.しかし,感情空間上の位置が近くても印象が異なるマルチメディア素材がある.これは,写像において捨象した因子の影響があるからである. そこで今年度は,マルチメディア素材を利用したポジティブ・コンピューティング(マルチメディア・ポジティブ・コンピューティング)の実現において,マルチメディア素材の印象を表すすべての因子を利用し,それらの因子が構成する印象空間を利用することを提案した.また,画像を例として検討し,適切な画像の選択ができれば画像によるポジティブ・コンピューティングが可能であることを示した.さらに,当初の感情から目的とするポジティブ感情に誘導するために印象空間上でメディアコンテンツを選出する手法を提案した.また,ポジティブ感情誘導に影響があるようである音楽のジャンルの影響と視覚コンテンツ中の注視物体の影響についての検討を開始した. 以上により,印象空間上でメディアコンテンツを選出し利用者に提示することで,当初の感情から目的とするポジティブ感情に感情空間上で誘導することを可能とすることができた.これは,マルチメディア・ポジティブ・コンピューティングが実現可能であることを示したものであり,非常に大きい意義がある. |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K12084 |